瀬戸内で造船関連の現場に身を置いていたことがあります。船を造る人、整備する人、出航前の点検をする人 ─ どの仕事も、派手ではないけれど、船が安全に海へ出るために絶対に必要な仕事でした。今、Web・AIの仕事を通じて経営者の隣に立つようになって、現場で見ていた職人たちの姿を思い出すことが増えました。
「ちゃんと動く」を当たり前にする仕事
整備の仕事は、何かが新しく生まれるわけではありません。今あるものが「ちゃんと動く」状態を保つこと、それが整備の核です。
現場には、毎日同じ場所を点検し、同じネジを締め直し、同じ油を差す職人がいました。外から見ると地味だけれど、その積み重ねがあるから船は安全に進めるんだと、若い私は教わりました。
壊れてからでは遅い
整備の世界では「壊れてから直す」は最も避けたい状態です。海の上で壊れたら、人の命に関わるからです。だから、壊れる前の小さな違和感に気づくこと、定期的に点検することが、職人の腕の見せ所でした。
経営の世界も同じです。「サイトから問い合わせが来なくなった」「Google検索で見つからなくなった」 ─ こうした症状が出てから動くと、復旧に時間とお金がかかります。違和感のうちに整備しておけば、影響は小さく済みます。
信頼は、目立たない仕事から生まれる
現場で一番信頼されていたのは、目立たないけれど確実に仕事をする人たちでした。派手な提案や大きな声よりも、「あの人に任せておけば大丈夫」という安心感が、長く続く関係を作っていました。
Web・AIの世界でも、同じ姿勢でありたいと思っています。最先端の技術を語るより、目の前の会社の現在地を丁寧に整え続ける。地味だけど、それが整備という仕事の本質だと、瀬戸内の現場が教えてくれました。
船と経営に共通する、「安全に前へ進む」ということ